最近、仕事をしていていつも思うことがあります。
飲食店で繁盛している店は何が違うのだろうか?
オープンしてずっと繁盛店として顧客を維持できる
店は僅かで大体1~2年以内に閉店する店が
多いそうです。
今や「美味しい」は当たり前。
都内にも美味しいお店は沢山あります。
でも、そこに「ファン」がつくかはまた別問題。
美味しくても居心地やサービスがいいとは限りませんし、
お金を払ってわざわざ出向きたい店かどうか?が大切に
なってきます。
ファンがつく店とは、最終的には料理よりもそのお店で
働く人の「人柄」がキーポイントのように思います。
特に店主(シェフ)。店主の人柄がよければスタッフも
ついてくるし、職場の雰囲気もよく、お客様にいい
サービスを提供しようと頑張ります。
お客様は美味しい料理はもちろんですが、「店主」に
会いに出かける。料理の内容は同じでも大好きな店主が
店にいないと寂しいし、残念な気持ちになります。
料理の技術は同じくらいなのにファンが付く店主と
ファンが付かない店主。新規顧客を獲得するために料理教室を
しているお店も多いですが、毎回瞬時に満席の教室と集客に
苦戦している店は何が違うのか?
以前、参加した料理教室では、人を見下した態度を取ったり、
スタッフを参加者のいる前で怒鳴ったり、質問内容が初心者
だと露骨に嫌な態度や表情をしたりする方もいました。
一部の常連さんにだけいい顔をするシェフも。
そういうお店は料理教室以外でも同じで、お店でもそのような
態度の事が多く、結果的に私が参加してここはいやだな~と
思った店はどこも閉店しています。
暴力事件を起こして捕まった店主もいます。
そういう人柄や態度は一瞬でわかります。
あと、料金は結構高いのに、レッスン内容があきらかに
金額に見合っていないお店もありました。
あ~っ、これは儲けに走っているなーというのが色々な
レッスンに参加している人ほど、見抜くのも早いです。
そういう料理教室は1回参加したらもう二度とリピーターや
ファンはつかないです。
でも、料金以上に楽しく、盛り沢山なレッスンをやる
シェフにはファンが即行付きます。
「あ~っ、楽しかった」「満足した!」
「充実した内容だった!」「また絶対参加したい!」と
思われるためには、料理だけでもダメで、すべてトータルに
満足しないとなかなかそう感じる事が出来ません。
レッスンでの話し方や態度、生徒さんへの接し方、皆さんに
楽しんで頂きたい!というようなシェフの思いや熱意、
わかりやすさ、美味しさ、充実した内容など。
これはお店の料理教室に限らず、一般的な料理教室も
同じです。ただ、あまり薄利多売だと、ビジネスに
ならないので、マイナスにならない工夫はもちろん必要です。
料理教室に参加した方はお店にも食べに行きます。
でもその時に知らんぷりしているようなシェフにはファンは
付きません。
ファンの多いシェフの共通点は「人柄がよい」の他に
「マメ」です。
例えばラ・ベットラの落合シェフ。誰もが知っている日本一
有名なシェフです。私はフェイスブックでお友達になっていますが、
そこまで深い付き合いはないのですが、落合シェフがフェイスブック
に記事を投稿した際、一番最初にいいね!を押したのが
たまたま私だった時がありました。
するとその後、落合シェフから
「一番にいいね!を押してくれてありがとう!!」
というメッセージが届きました。
日本一忙しいシェフがわざわざお礼のメッセージを
送って下さったのです。こういう心遣いがファンを
増やすのですよね。
でも、わざとらしくないんです。
真似しようとしても真似のできない生まれながらに
もった「人柄のよさ」なんだろうなぁ~。
他には、私がいつも料理教室をお願いしている
フランス料理「La paix」(ラペ)の松本シェフは誰もが
「わぁ~」と思わず声に出してしまいたくなるほど、料理の
演出や楽しさを持っている方で、料理教室でも毎回豪華な
料理を教えて下さいます。
お店に食べに行くと最後は必ず、お客様が見えなくなるまで
お見送りをされていていつも温かい人柄とお店の居心地の良さ、
料理のクオリティ、感じのいいサービスなどが高く評価されて、
独立オープン直後からずっと予約でいっぱいですし、料理教室も
瞬時で満席になります。
そしてこの人手不足の飲食業界で、松本シェフのお店は
スタッフもほとんど辞めず、辞めたとしてもすぐに人が
入ってきてずっと長続きします。
最終的に残る店、予約が絶えない店というのは、
「ハート」「人柄」「ホスピタリティ」
この3つが揃ってこそだと思います。